有名画家のお宅訪問! レンブラントの家

オランダ黄金時代を代表する画家レンブラントがアーティストとしての最盛期に住んでいた家が、「レンブラントの家」というミュージアムとして一般公開されていることをご存知でしょうか。

その場所は、アムステルダム中央駅から徒歩10分ほどの場所にあります。野外マーケットがいつも開かれているワーテルロー広場や国立オペラ劇場の裏手にあるヨーデンブレーストラート(Jodenbrestraat)という通り沿いに建つ、昔ながらの間口の狭い建物が立ち並ぶうちの一軒です。レンブラントの絵がプリントされた大きなスクリーンが建物の正面に架かっているので、目印になります。

 

レンブラントが黄金時代に過ごした場

 

チケットは大人13ユーロ、6歳から17歳までの子どもは4ユーロです。入口すぐのチケットカウンターで購入することができます。筆者は7月の平日に訪れましたが、特に予約は必要ないくらいの混雑具合で、チケットは並ぶことなく購入できました。

展示室の入口は、地下1階にあります。階段を降りてすぐのところには、レンブラントの作品と生涯についての映像室、そしてロッカールームがあり、最初の展示室につながっています。

この建物は、もともと画家レンブラントが1639年に購入し、その後破産するまで、住居とアトリエとして利用していたものです。

画家の家には、レンブラント自身が制作に励んでいたアトリエやエッチングのための部屋の他に、常時数人の画家の卵が修行に励んでいた弟子用のアトリエ、レンブラントや関係のある画家たちの作品が壁いっぱいに飾られているギャラリーのような客間や寝室キッチンなどの部屋があります。17世紀にレンブラントが使っていた当時のようすが資料を基に忠実に再現されているので、まるでタイムスリップしたかのような気分になれます。

成功したアーティストとしての生活から浪費などで破産、妻や子どもたちとの死別など、オランダ黄金時代の激動の世にドラマチックな生涯を送った画家の人生に、実際の場所や作品、道具を通して触れることができる場所です。

一人の画家としてだけではなく、多くの画家を育てた教師、絵画コレクター、画商、一人のアムステルダム人としての顔も、このレンブラントの家のあちこちに遺されています。

 

作品の秘密やルーツがわかる

 

インテリアのディテールはもちろん、調度品やキャンバス、画材、絵のモチーフにされていた巻貝やアルマジロ、天然石などの珍しい動植物の標本が飾られている部屋など、見どころはたくさんあります。

展示されている絵画作品とレンブラントの関係は各展示室内のキャプションで詳しく説明されています。また、日本語に対応している音声ガイドで一つひとつの作品について詳しく知ることができます。音声ガイドは、入口から階段を下りて、すぐ左手を見ると用意されています。言語設定を「日本語」に設定して、ぜひ楽しんでみてください。使用は無料です。

レンブラントの家では、時期によっては特別展も開催されています。2017年7月には、「レンブラントのエッチング―レンブラントの家コレクションのハイライト―」という銅版画の展覧会が催されていました。独特の高い銅版画技法で有名なレンブラント。自身の作品は同じ画題で違う印刷のものを比較して鑑賞することができました。また、レンブラントに影響を受けた画家や、先人であるアルブレヒト・デューラーの作品なども並んでいました。

 

間近で体験!デモンストレーション

 

この「レンブラントの家」というミュージアムは、毎日行われているデモンストレーションも魅力の一つです。筆者が訪れた日には、14:30ごろに顔料づくりとエッチングの技法のデモンストレーションがそれぞれ別の部屋で行われ、興味のある人なら誰でも自由に見学できるようになっていました。

エッチングのデモンストレーションでは、専門のスタッフが指定された時間になると小部屋を訪れ、レンブラントがどのようなプロセスで銅版画を手がけていたのかを実際の道具やインク、紙などを使って説明してくれました。日本の和紙を愛用していたという話も、実物を見せてもらい、紙に触れながら聞くことができてとても興味深いものでした。エッチングの小部屋には、10人程度しか入れないほどなので、間近で説明を聞きたい方は、部屋の入口にかかっているタイムテーブルをチェックして、デモンストレーションが始まる時間より少し早めに待っている必要がありそうです。毎日10:15から13:15の間に複数回行われています。

 

17世紀の顔料づくりを見学

 

絵画に使う顔料づくりのデモンストレーションは、レンブラントが作品を制作していたメインのアトリエで行われていました。鉱石などを粉状にして、液体と擦りあわせて初めてできる顔料は、その日一日に使い切る分だけを考えて作られていたのだとか。色とりどりの材料を眺めていると、レンブラントの有名な絵画に使われていた色を一つひとつ思い出してみたくなります。顔料の独特の匂いを嗅ぎながらアトリエ内を見学することができました。こちらは、開館時間中に何度も行われていて、部屋の入場人数もかぎられてはいない様子だったので、訪問すれば偶然に遭遇できるチャンスは大きいと思います。

 

レンブラントに出会える場所

 

画家としてのレンブラントは、その波乱万丈の生涯と、ドラマチックな光と生々しいほどの人物描写が有名ですが、実際に家を眺めて逸話に触れると、アーティストとしての側面だけではなく、アムステルダムの黄金時代に翻弄された一人の男性としての姿が浮かび上がってくるかのように感じました。レンブラントの存在が身近に感じられ、より好きになってしまうようなミュージアムです。家としても見どころがたくさんあるので、観光の際にはぜひ訪れてみてくださいね。アムステルダム市内でも指折りのおすすめアートスポットです。

 

インフォメーション

名称:レンブラントの家(Rembrandthuis)

住所:Jodenbreestraat 4, 1011NK, Amsterdam

開館時間:月曜から日曜 10:00~18:00

公式サイト:https://www.rembrandthuis.nl/en/