バッグ好き必見のバッグ美術館「Tassenmuseum」

アムステルダムの町中には、おしゃれなアパレル関係のお店が数多く並んでいます。街中には、オランダ人らしい長身が生きたスマートな着こなしで目立つ若者が多いのですが、一般的にオランダ人は洋服のセンスではあまり世界的に評判がよくないのが事実です。

それでも、デザインの分野では、国際的に負けるところを知りません。こだわるところにはこだわる国民性のおかげか、かばんやアクセサリーなど服飾関係の小物は、素敵なアイテムを数多く見かけます。そのため、洋服はシンプルにして、個性のある服飾小物を選びアクセントをつけるファッションをよく見かけます。

そんなアムステルダムには、世界的に見ても珍しい「バッグのための博物館」が存在します。運河沿いの古い町並みにひっそりと建っているこちらのミュージアム「ヘンドリキェ・バッグ美術館」は、世界中の観光客、特に女性たちから愛されているかわいらしい観光スポットです。

 

繁華街を抜けてすぐの美術館

 

アムステルダム中央駅からは、トラムの4番、9番、14番のいずれかに乗ると、10分程度で到着します。停留所はレンブラント広場「Rembrandt pleinです。トラムの社内案内でも、「タッセンムセウム(=バッグ美術館)……」とオランダ語読みでアナウンスされるので、どこで降りればいいのかが、初めての方にもとてもわかりやすいと思います。

停留所を降りるとすぐ、オランダ人の著名画家レンブラントの「夜警」を模した彫刻群がある広場に出ます。日夜問わず若者で賑わうその広場を抜けてから、右手にあるヘレングラクト(Herengracht)という通りに入っていくと、バッグ博物館の赤い看板がすぐ目に飛び込んできました。写真の中央にある通りの奥に見えるのが、その看板です。

建物に入ると、お化粧をばっちりした華やかな印象の年配女性が出迎えてくれました。チケットは大人12.5ユーロ、13歳から18歳までは7.5ユーロでした。オランダのミュージアムカードがあれば入場無料です。チケットが手に入ったら、さっそく展示室へ向かいましょう。

 

バッグというものの誕生から現在まで

 

常設展示の順路は3階から始まるとのことで、入口左手奥にあるエレベーターに乗りました。展示室に入ると、ずらりと展示ケースに並ぶのは……大きさも素材も形も、多種多様なバッグの類

現在のバッグの原型ともいえる、15世紀に誕生した巾着のようなごく素朴なものから、賭け事に使われていた実用的な硬貨入れから始まって、革製、布製、刺繍の入ったものはもちろん、ビーズや金細工、亀甲など、さまざまな素材で作られたバッグが展示されていました。一番古いものには、金属製のフレームだけ残っているものもありました。歴史を感じますね。当たり前のことですが、全てが手作業で作られたバッグだと思うと、その精巧さに息をのみます。当時は富を象徴するような、とても高価なアイテムであったことは想像に難くありません。

 

ファッションとしての現代バッグ

 

2階の展示室には、コンテンポラリーブランドの歴史を刻んだバッグが勢ぞろいしています。中には、かのマドンナが愛用していたという緑色のヴェルサーチのハンドバッグも展示されていました。

別室には、オランダ王室のメンバーが使っていたという大きな旅行用かばんも展示されていました。現在で言えば、旅行用のスーツケースですが、さすが王室御用達のものだけあって、バッグの中の小物を整理するための容器や箱なども全て専用に誂えられたものでした。それでも豪奢さはなく、質実剛健なものが選ばれたところに、オランダ王室の趣味が垣間見えます。

 

特別エキシビションも魅力的

 

筆者の訪問時、『女の子の一番の友達はアクセサリー』と題した特別展も開かれていました。バッグ博物館の所蔵品だけではなく、アムステルダム国立博物館が所蔵している服飾品のコレクションと合わせて展示されていて、とてもおもしろいものでした。

バッグだけで鑑賞に値するものもたくさんあるのですが、バッグ単品としてではなく、手袋や帽子、付け襟などと並んで展示されていると、「このバッグとこの帽子の素材感がぴったり合うなぁ」とか「似ているけど微妙に違う色合いのポーチと付け襟はおしゃれな組み合わせだなぁ」などと、いろいろなコーディネートを想像して楽しめるんです。パーティ用の羽や金、宝石の帽子など、めったに見かけないような珍しいファッションアイテムも数多く並んでいて興味深いですし、贅を尽くした工芸品、身に着ける芸術品といえるような品物の一つひとつに目を奪われます。

 

女子にぴったりのカフェルーム

 

1階カフェ・スペースになっています。建物の裏手にある庭園を見下ろしながらゆっくりとティータイムを楽しめます。

豪奢なインテリアや、座り心地のよさそうなソファも魅力的で、思わず足を止めたくなるような素敵なカフェです。お茶の時間に欠かせないケーキやスイーツも充実しています。リンゴとナッツのたっぷり載ったアップルパイ(4.5ユーロ)や色とりどりのマカロンが特においしそうでした。ミュージアムの入場チケットには、お茶もしくはコーヒーとお菓子のセットが4.5ユーロと書かれていて、実際にカフェで質問してみたところ、飲み物とチョコレートボンボンのセットが該当するとのことでした。

カフェ・スペースは3室に区切られていました。庭が見下ろせるお部屋、一人がけの大きなソファがあるお部屋、そして17世紀の雰囲気が漂うダイニングルーム風のお部屋です。ここで女子会をすると、すごく盛り上がりそうです。実際に、オランダ人のマダムたちが10人以上集まって個室を貸し切り、おしゃべりが永遠に止まらないような、賑やかなティーパーティを開いていました。

 

実用性の追求と装飾の豊富さ

 

全体として、バッグというものがどのように実用性を高められてきたのか、そして装飾性のバリエーションの豊かさに圧倒されました。筆者は、個人的にバッグや靴が好きなほうですが、これだけの量のバッグ類を一堂に集めたミュージアムというのは今までに観たことが無かったので驚きました。

入口のある階には、比較的高価なバッグがずらりと並ぶショップになっていました。デザイナーものの斬新なルックスのファッションバッグも展示されていて、実際に購入することもできます。いろいろなバッグの魅力に触れてから、ショップに入ると、思わず手に取って「似合うかな?」と鏡で試して、買ってみたくなります……。

バッグ好きなら絶対に見逃せないスポットだと思います。たくさんの種類のバッグやポーチを眺めているだけで幸せになれてしまう、特にバッグにこだわる女子におすすめのミュージアムです。

 

インフォメーション

名称:ヘンドリキェ・バッグ美術館(Tassenmuseum Hendrikje , Museum of Bags and Purses)

住所:Herengracht 573, Amsterdam

開館時間:10:00~17:00

公式ウェブサイト:https://tassenmuseum.nl/en/