子どもと一緒に遊べるミッフィー・ミュージアム

オランダはもちろん、日本でも愛されているうさぎのキャラクター「ミッフィー」。その作者であるオランダ人のグラフィックデザイナーで絵本作家のディック・ブルーナのキャラクターとその世界観に浸りながら、子どもがめいっぱい遊べるミュージアムがオランダのユトレヒト市内にあります。それが、この「ミッフィー・ミュージアム(Miffy museum)」です。

 

ミッフィーとその仲間たちと遊ぼう

 

オランダ語で「ナインチェ(Nintje)」と呼ばれて親しまれているミッフィーの生みの親として世界的に有名なディック・ブルーナその作品は絵のシンプルな線や色づかいが特徴的です。それらは簡単に描かれたように見えて、実は制作に時間をかけ、磨きをかけられた上で丁寧につくりあげられたものなんです。彼の独特の色づかいやリズム感あふれるデザインは、一目見ればディック・ブルーナの作品だと分かるくらいに個性的で、世界中にたくさんのファンがいます。

その世界にどっぷり浸ることができるファン必見のミュージアムが、ユトレヒトにあるミッフィー・ミュージアム(Miffy museum)です。

ユトレヒト中央駅からは歩いて20分強かかりますが、駅からの運河沿いには公園と散歩道があるので、お天気がいい日には散歩するのにぴったりの場所です。街の中心から見ると、南西部に位置しています。ミュージアムの前には、でーんとそびえる特大ミッフィー像が立っていて目印になります。

その向かいには、ユトレヒト・セントラル・ミュージアム(Centraal Museum)が立っています。ミッフィー・ミュージアムの入口では直接チケットが買えないので、まずは、このセントラル・ミュージアムのチケットカウンターで、ミッフィー・ミュージアムの入場チケットを購入しましょう。

 

ディック・ブルーナの世界に浸れる魔法の場所

 

ディック・ブルーナは惜しくも2017年2月に89歳で逝去されましたが、今でもその作品は世界中で愛され、各地からファンがこのミュージアムを訪れています。アジア諸国の中でも、特に日本にはディック・ブルーナの作品を愛する子どもたちやファンが数多く存在します。それに応えて、作家と日本の間にはいつしか絆ができたようで、東日本大震災の際にはディック・ブルーナから応援の言葉とイラストが届くなど、日本との結びつきが強いグラフィックデザイナー・絵本作家だといえます。

 

子どもと楽しめる体験型ミュージアム

 

今のミッフィー・ミュージアムの場所には「ディック・ブルーナ・ハウス」と呼ばれる美術館がありましたが、2016年2月に現在の形で改めてオープンしました。

ミッフィー・ミュージアムの館内に入ると、まず目に入るのは、2歳から10歳くらいまでの子どもたちを対象にしたいろいろなアトラクションでした。素朴でダイナミックな色づかいとくっきりしたキャラクターが活かされていて、大人がデザインとして見ていても楽しめるのですが、やっぱり実際に遊んでいる子どもたちが一番楽しそうです。子どもが自分で遊べる仕掛けがたくさん隠されていて、幅広い年齢の子どもたちが、それぞれ自分の好きな遊び方を見つけて大興奮していました! 子どもによってそれぞれ違う楽しみ方ができるので、独創性や個性が活かされるという点が素敵です。絵本が読めない年齢の小さな子や赤ちゃんでも、はっきり・くっきりとしたタッチで、明るくて幸せな独特の色調をしたキャラクターは親しみやすいのだろうなぁと感じました。

かわいいミニ・キッチンや壁画の数々

おままごとができるキッチンには、実際に動かして遊べるキッチンの設備やケーキのおもちゃなど、ブルーナ独特の色遣いとディティールがそのまま活かされたアトラクションでした。

子どもたちと一緒に遊んでくれるミュージアムスタッフも何人か在館していました。また、ミュージアム2階では、毎週日曜日の14時から絵本の読み聞かせ会が開かれています。その他、毎週末のアートルームでのワークショップも楽しそうです。

館内を歩いていると、壁の随所にキャラクターが描かれているので、ディック・ブルーナの絵本の世界に入ったような気分になります。ちょっとした場所にキャラクターが潜んでいたり、壁一面に大きなイラストレーションがあったりと、あちこちで記念撮影したくなるような、ファンの心をくすぐります。入口の左脇にあるロッカーも、一つずつ違う絵柄がついていて、とてもかわいいです。ちなみに、トイレの個室内にもブルーナのイラストが描かれているので、ぜひチェックしてみてください。

見逃せない特別なギャラリースペース

1階の一角に、小さいけれど、ファン必見のギャラリースペースを見つけました。風船を手にしたかわいいミッフィーのイラストに誘われて向かうと、そこは特に見どころが多い素敵なお部屋でした。

壁紙もディック・ブルーナ柄でとてもかわいい小さな部屋の中に、色違いの展示台がいくつもならんでいます。その一つひとつの上部が蓋のように開き、中にはガラスケースの中に絵本やその原画が入っていたり、そしてディック・ブルーナが表紙デザインを手掛けたペーパーバック(海外の文庫本)がずらりと並んでいたり。

筆者が展示を見ていると、足元に3歳くらいの小さな男の子が駆け寄ってきました。その子は、おもむろに展示ケースの下部分についている取っ手をぐいっと掴んで、開いたかと思うと、また閉じて……といったぐあいに遊び始めました。大人の目線では気づきにくいのですが、子どもたちの高さの目線で展示ケースを見ると、そこにはもうひとつの展示があったんです。この子がいなかったら見逃すところでした。教えてくれてありがとう!

ケースの中には、オランダの伝統衣装などの特別なバージョンのミッフィーぬいぐるみなどが展示されていました。

この部屋の天井には、ディック・ブルーナの絵本が、まるで空から降ってくるかのように飾られています。その他にも、色や柄、ポーズ違いのミッフィーなど、ミッフィーグッズコレクションが並んでいます。

ブルーナの思いが活かされたアトラクション

2階には、ガーデンと呼ばれる飲食可能なスペースや、交通エリアと呼ばれる乗り物でいっぱいのにぎやかなアトラクションがありました。ミッフィーの絵が付いた赤と緑の道路信号もあってかわいらしいです。実はユトレヒト市内にも一か所だけ、実際に使われているミッフィーの信号があるそうです。

この交通エリアでは、車や電車のおもちゃに乗ってダイナミックに遊ぶことができます。ミッフィーの絵本にも、乗り物をテーマにしたものがありますが、その作品には、「交通ルールを正しく学ぶことで、安全に生活してほしい」というブルーナの思いが込められているのだそうです。だからこそ、ミッフィー・ミュージアム内にも遊びながら交通安全が学べるアトラクションが作られたんですね。

 

このミッフィー・ミュージアムには、ディック・ブルーナの作品世界だけではなく、その思いに触れられる工夫が随所に施されています。ディック・ブルーナファン必見のスポットです!

 

(インフォメーション)

名称:ミッフィー・ミュージアム(Miffy museum)

住所:Agnietenstraat2, 3512XB, Utrecht, The Netherlands

開館時間:火曜~日曜 10:00~17:00(月曜休)

公式ウェブサイト:http://nijntjemuseum.nl/?lang=en