ヴァン・ゴッホ美術館を訪ねて

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホは、西洋画家といえばまずはじめに名前が挙がる代表的な画家ではないでしょうか。他のアーティストと間違えようのない個性的な画風や、生前は作品がほとんど売れず、精神病を患っていたことや、ゴーギャンなど同時代のアーティストとの逸話がたくさん語り継がれています。日本の画家からのゴッホへの関心も高く、ゴッホ自身も日本の浮世絵などの美術に興味を持っていたという点で、日本と関わりの深い西洋画家の一人でしょう。

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ゴッホの世界に浸れる場所

 

そのようなゴッホの初期の作品から代表作を含む一連の作品を鑑賞できるのが、アムステルダムの「ヴァン・ゴッホ美術館(Van Gogh Museum)」です。この美術館は、音楽ホールや美術館の立ちならぶ美術館地区(Museumplein)の中心部にあります。

ちなみに、英語の発音では「ヴァン・ゴッホ」と濁音になりますが、オランダ語では「ファン・ホッフ」に近い発音で読まれます。現地の人がどう発音するか、機会があったら聞いてみてくださいね。

美術館は主に2つの大きな建物で構成されています。1999年にオープンした新しいエントランスホールは、日本の建築家・黒川紀章さんによって設計された現代的な建築物です。2015年に完成した新館は、本館の四角いフォルムとは対照的な曲線が活かされたフォルムをしています。新館と本館とはガラス張りのエントランスホールでつながっていて、大きなミュージアム・ショップとクローク、広々とした開放的なロビーと、別館には特別展のスペースがあります。

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チケットは予約がおすすめ

 

観光シーズンには、本館入口でチケットを買うための長い行列をよく見かけるので、訪問時間が決まっている場合は、あらかじめオンラインでチケットを予約しておくことをおすすめします。オンラインでは日付と入場時間を指定して、チケットを購入できます。その場合、予約時間から30分以内に入場する決まりになっています。チケットは印刷、もしくはスマートフォンなどの画面で見せても有効です。

チケット代金は、大人が17ユーロ、18歳以下は無料です。Iamsterdamカードやミュージアムカードがあれば、無料で入場できます。

この美術館は年中無休で午前9時から午後5時まで開館していて、金曜日はなんと夜の10時まで開いています。その気になれば、週末の夕食後やコンサート鑑賞の後にも立ち寄ることができるんですね。

館内の混雑具合は、開館直後や閉館前が一番空いていて鑑賞しやすいようですが、最終入場は4時30分までなので、お気をつけください。

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自画像から始まる鑑賞コース

 

さて、チケットをスキャンしてもらって入場したら、必要に応じてリュックや上着などの手荷物をクロークに預けておきましょう。

最初に、本館地上階(0階)にあるゴッホの自画像作品を並べた、いわば「ゴッホに出会える」展示スペースに進みましょう。ゴッホのいくつかの自画像作品を一度に鑑賞できて、面白い展示です。絵が展示されている脇にはゴッホの人生が年表にまとめられています。年代を追って絵を鑑賞していくと、彼自身の心境や取り巻く環境、目指す絵画のスタイルが変わり、ひとくちにゴッホの自画像と言っても、様々な側面が見いだせると思います。筆者はゴッホが世間に対して自分自身をどう見せたいのか、また、自分の内面をどう見つめていたのかが伝わってくるように感じました。それと同時に、とびぬけた才能を持つ奇才だと思っていたゴッホの人間らしい一面が垣間見える展示でもあります。

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館内では、基本的に写真撮影が禁止されています。ですが、一か所だけ、ゴッホの自画像を大きく引き伸ばした壁面の前で記念撮影できるスポットがあります。それは、本館に入ってホール中央の階段を上がってすぐのフロア(1階)部分の左手の壁面です。ゴッホと一緒に記念写真が撮りたい方は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

 

さまざまな角度からゴッホに近づく展示

 

記念撮影スポットがある階には、ゴッホ自身の初期の作品や、彼と同時代の画家たちの作品がテーマごとに展示されています。まず、ゴッホの画壇へのデビュー作といわれている「じゃがいもを食べる人々」が見逃せない重要な見どころの一つです。

また、ゴッホの所持品や、ゴッホが歌川広重の浮世絵を彼なりのスタイルで模写した作品、ゴーギャンなど交流のあった画家たちの作品も、このフロアに展示されています。

その上の階(2階)には、天井の低い展示スペースにゴッホが興味を持った色彩学についての研究や実験的な作品や、弟のテオ・ヴァン・ゴッホや友人と交わした手紙が展示されています。また、オーディオで手紙の朗読(英語)を聴くこともできます。ゴッホがどのような思いで、何を目指して絵を描いていたのかや、画家仲間と刺激を受け合って制作に励んでいた様子が、まるでゴッホに語りかけられているような感覚で伝わってきます。一聴の価値ありです。

最上階(3階)には、解放感のあふれる展示空間が広がっています。青空を背景にアーモンドの木の花を描いた「花咲くアーモンドの枝」という魅力的な作品に始まり、代表作「ひまわり」などの自然をモチーフにした作品も見どころです。

以上の常設展を見ただけでも、かなり見ごたえがありますが、このほかに新館では特別展が行われていることがあります。

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鑑賞が終わってから休憩したいときには、館内に2か所あるカフェがおすすめです。本館入口すぐ近くにあるカフェは小さく、気軽に立ち寄れる雰囲気です。本館のカフェは広くて席数が多く、大きな窓があって眺めがいいので、値段は高めですが、ゆっくり過ごしたいときにはうってつけです。卓上には花やハーブの鉢植えが備え付けられていて、ゴッホが愛した自然を彷彿とさせます。

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なお、平均的な鑑賞時間は1時間半だそうです。筆者は興味のある作品は立ち止まってじっくり見て、その他は一通り見るようなかたちで鑑賞し、1時間半少しかかりました。

ゴッホの作品のコレクションが充実していて、絵画のキャプションも読みごたえがあり、とても見どころの多い美術館だと思うので、ゴッホが好きな方なら2時間ほど時間をとって鑑賞してみてもよさそうです。

なお、新館のミュージアムショップには、ゴッホの絵柄の着物から、ペットの洋服、文房具など、バリエーション豊富なゴッホ・グッズが販売されていました。筆者が購入したのは、独特のブ

ルーの色合いが印象的な作品「花咲くアーモンドの枝」のミニポスター。7.95ユーロでした。ミュージアムショップの商品は、公式サイト上でも確認できます。

ゴッホ好きなら何度でも訪れたいゴッホ美術館、皆さんもぜひ実際に訪れてみてくださいね。

(インフォメーション)

名称: ファン・ゴッホ美術館(Van Gogh Museum)

住所: Museumplein 6, 1071DJ Amsterdam

アクセス: トラム停留所「Museumplein」徒歩すぐ

英語サイト: https://www.vangoghmuseum.nl/en

日本語サイト: https://www.vangoghmuseum.nl/ja/visitor-information-japanese