オランダの水の都「ヒートホールン村(Giethoorn)」訪問

オランダは海抜の低い土地にあるので、町の中に運河が流れる風景は、アムステルダムを始めとして風物詩となって、多くの観光客を呼び寄せています。

運河のある眺めは国際的に有名ですが、実はオランダには、「オランダのヴェネツィア」と呼ばれる珍しい水に囲まれた村が存在します。それがヒートホールン(Giethoornという村です。水路と庭園の花や植物に囲まれた古い家は、まるで水上に浮かんでいるようで、とても可愛らしいのです。

筆者は、インターネット上で一度その写真を見て以来、どうしても一度訪れたいとずっと願っていました。ですが、ヒートホールンはアムステルダムから電車を乗り継いで2時間の場所にあります。その距離、およそ120km。簡単に遊びに行ける距離ではなさそうなので、ためらっていました。

ですが、ある休日、丸一日時間が取れたので、ヒートホールンへ日帰りの小旅行をすることに決めました。実際に訪れてみて、その特色ある町並みに感銘を受けたので、アムステルダムから所要時間片道2時間強とかなり遠い場所にあるのですが、わざわざ行く価値はあるとおすすめできます。今回は、その模様を詳しくレポートします。

 

遠路はるばるヒートホールンへ

 

まずは、アムステルダム中央駅(Amsterdam Centraal)から電車に乗ってアルメール中央駅(Almere Centrum)へ向かいます。そして電車を乗り換え、約40分するとズウォレ(Zwolle)駅に到着するので、電車を降りて、駅前からバスに乗って停留所「Swartsluis」に向かい、そこでさらに70番バスに乗り換え、「Dominee Hylkemaweg, Giethoorn」というバス停で降ります。長い道程であるだけに、到着した時の喜びはひとしおです。あいにくの小雨でしたが、さっそく写真で見た風景を探しに、村の中心部に向かって歩いてみることにしました。

バスの走っている大通りから垂直に走っている運河に沿って歩いていきます。カフェやジェラートなどのお店がいくつか並んでいますが、普通の個人住宅も多い狭めの道です。そのうちのひとつのレストランでは、オープンテラスで、婦人合唱団がオランダの伝統衣装を着て陽気に歌を歌っていました。彼女たちの明るい笑顔と親しみやすい歌声に、なんだかほっとさせられます。オランダの田舎の良さを感じられました。知らない土地に来たのに、どこか懐かしい気分になる、ヒートホールンはそんな場所のようです。

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運河沿いにまっすぐ進んでいくと、垂直方向に交わる別の運河に突き当たります。向かって左手のほうに見どころが多いようなので、進んでみます。このあたりから、写真で見た通りの、他では見られない村の風景が目に飛び込んできます。

特徴的なのは、このヒートホールンで暮らす人々は、ボートを主な交通手段としているという事実です。家と家の間に細い道があってもあまり歩きやすいようなものではありませんし、運河をボートですいすいと進んで行ったり、橋で横切ったりした方が動くのに便利なんですね。雨だったからか、足元がけっこうぬかるんでいて、運河に落ちないようによく気を付けながら歩きました。それでも、美しくガーデニングを整えた昔ながらの家々はとてもかわいらしく、見とれてしまいます。写真撮影にぴったりの場所もたくさんありました。

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家を眺めていると、自家用ボートがあちこちに停泊しています。この村には、自動車はもちろん自転車も入れないようなので、住民の足は本当にボートと徒歩のみなんですね。10代の若者が、慣れた手つきでボートを一人で漕ぎだしている姿を見かけて、実感がわいてきました。このような村での暮らしは一体どのようなものか、興味が募ります。

ヒートホールンでの暮らしや伝統について詳しく知りたい観光客のために、Museum Giethoorn’t Oude Maat Uusというミュージアムがありました。冬季は毎年10月末から3月末までは土・日・月曜日、3月末以降から10月末までは毎日開館しているそうです。筆者が訪れた際には残念ながら閉っていて見られずじまいでしたが、せっかくGiethoornを訪れるからにはぜひチェックしたい博物館です。

 

昔ながらの生活スタイルを守り続ける

 

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村内には、庭園だけではなく建築にこだわりのあるお宅が多く、かやぶき屋根のようなものも見かけました。風光明媚な村には、現代的な建造物がほとんどありません。200年は経つというお家もあるというから、驚きです。木製の古い橋、植物が茂る庭も印象的で、白い猫が水辺を静かに横切る姿などを見かけました。

村の周囲は、ほとんどが牧草地で囲まれています。自然が豊かなこの場所で暮らす人々は、田舎暮らしを地で行っているようです。ボートか徒歩でしか移動できないとなるとかなり不便そうですが、それを逆手にとって、風情ある街並みを維持し、美しく手入れして、昔のままの姿を保存しているんですね。ヒートホールンは、De Wieden自然保護地区の中心に位置するので、環境保護にも力を注いでいます。

 

趣向を凝らしたボートツアー

 

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ボートで、運河を横切る観光ツアーも開催されていました。また、カップルや家族などの個人団体で小さなボートを借りることもできます。ボートで村の中に入っていけば、運河の水上から景色を眺められます。ちょっとした冒険気分で楽しめそうですね。水路はあまり幅が広くないので、家と家の間を通るときは、かなり近くで眺められるのも利点です。

 

観光に訪れる人のためのアドバイスとしては、雨の日は特に足元がよくないので、歩きやすさを重視して、スニーカーや防水靴挑むことをおすすめします。服装は、汚れてもかまわない格好がベストです。かばんについては、肩掛けのものより小さ目のリュックサックなどのほうが植物にひっかかったりしにくいので、動きやすいと思います。雨が降っていたら、傘よりも雨合羽のほうがずっと便利です。カラフルな合羽を着て歩き回っている若者たちも見かけました。

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水に囲まれた村でのんびり過ごすひととき

 

村内には、カフェやお土産物屋さん、レストランがいくつかあります。筆者が実際に食事を取ったのは「la piccolo Venezia」というイタリア料理のレストランです。ロブスターなどの海鮮料理も扱っているような落ち着いたインテリアのお店ですが、気軽にピッツァとビールを味わうことができました。イタリア人オーナーによるおいしい本格イタリアンで、お値段もお手頃なので、ぜひ訪れてみてください。

 

神秘的なオランダの水の都ヒートホールン(Giethoorn。運河に囲まれて暮らす人々の思いが垣間見える、自然あふれる美しい村でした。世界的に見ても珍しい観光スポットなので、機会があればぜひ観光に訪れることをおすすめします!